遊戯(sin黒嫁的な何か。いじめっこ度四割増)
 手を伸ばして、銀色の光を反射する鎖に触れた。その先に繋がっているのは、金色の光を反射する千年パズル。
 遊戯は困ったように私の名前を呼んで、じり、と数センチ後ろに下がった。
 どこか怯えたようなその瞳に、私の口元は思わず笑みの形。

 何が怖いの?
 どうして、怯えてるの?
 私はほら、こんなに優しくて良心的じゃない。
 なのに、どうして?

 そんな問いは、欲しい答えが返ってくる訳じゃないから口にしない。
 そもそも、私が欲しい答えなんてものが存在しないんだから、問い掛けるだけ無駄な事。
 欲しいのは的確な答えでなく、別にこの黄金のパズルでもない。

 私はね、遊戯。
 ただあなたを可愛がりたいだけなんだよ。

 だから、彼の耳元で静かに囁いた。

「ばいばい、シルバー」

 言うや否や、素早く遊戯の首からもぎ取った千年パズルを、力一杯放り投げる。
 ただでさえ大きな目をさらに大きく見開いた遊戯。
 きらきらと光を反射しながら遠く落ちていくパズルはすごく綺麗。でも、そこからはきっと悲痛な叫び声が聞こえるのだろう。
 彼はなんとも言えない表情で私を見上げた。

「君ってひとは、本当に…」

 その言葉がおかしくて。
 だから私は、優しく笑みを浮かべて言ってあげたのだ。

「大丈夫。遊戯の事は投げたりしないから。…ね?」

大邪神め、消え失せろ!
と、もう一人の彼は言う。

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