お互いべったりな訳じゃない。
けれど、二人の周りにはそれ以上誰も入ることの出来ない強固な壁があった。
「なぁ杏子、とキサラって中学から一緒だっけ?」
「ん? 何を今更」
城之内の質問に杏子はまばたき。それは肯定の意。
「あいつら、仲いいよなぁー」
「それもわかりきったことでしょ。で? 何を聞きたいの?」
溜息と共に杏子は先を促す。
隠し事の苦手な城之内は考えがすぐ顔に出てしまう。
決闘者としてそれでいいのかとたまに問いたくなる程に。
「何であいつら、あんな仲いいんだ?」
見た目も性格も正反対。共通点など探しても見当たらない。
「その言葉、他の人が見たらそのままあんたと遊戯に当てはまるわよ?」
「ばっか、俺と遊戯はパズルの絆で結ばれてんだよ!」
「ね? そう言うことよ。きっと、とキサラの間にも、あんたたちのパズルみたいに他人からは見えない絆があるんじゃない?」
杏子の言葉はぴたりと心にはまった。
そうか、と頷いたらさっきまでの「何で」はとたんどうでも良くなった。
きっと誰にもある
見えないけど見えるもの。
見えないけど見えるもの。