盗賊王先輩
 ずっと気になっていた事があった。

「ねぇ、ばく先輩ってシルバーと仲良いわけ?」

 午後の屋上。
 柔らかな秋空に心地いい風が吹いていてなんだか眠くなっちゃう。

「…あいつの話はするな」

 小さな間の後、凄く微妙な表情のばく先輩は言う。

「えー、何で。あのセト先輩もシルバーには敬語だしさぁ。つか、シルバーってかなりあほだよ?」

 シルバーが誰を指す単語か彼はしっかり解っているらしく、頭を抱えながら低く言う。

「最初はな、あいつもまともだったんだぜ。…多分。とにかく俺様の黒歴史を掘り返すな。いいな!?」

 そんなにあいつの事が気になるならセトに聞け、と言ってばく先輩はそっぽを向いた。

 取り敢えず解った事は、ばく先輩には昔シルバー関係で思い出したくない何かがあるらしい、と言うこと。

気になるから、調べちゃう。
だって、
あまりにちぐはぐなあの三人。

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