獏良了
 ばん! と机を叩いた細い手の主を見上げた。

ちゃん、どうかした?」

 瞬きをすると、満足そうに笑ったクラスメイトは机を叩いたその手で彼の頬を撫でた。

「了ちゃん、超肌綺麗。きめは細かいし、しっとりしてて手に吸い付くみたい、しみだって一つも無いし、白磁のお皿みたい」
「うん、わかったからそうやって撫でるのやめてくれないかな? 何か手つきが妙にエロいんだけど」
「キサラといい了ちゃんといい、何で私の周りってこんなに美白が流行ってるのー?」
ちゃん僕の話聞いてないよね。ほら、何か目付きも怪しいよ? 子羊を狙う狼みたいだよ?」

 獏良がそう言う傍から、の手は彼の白い頬を撫で回している。
 うっとりした目で獏良を見つめながら、は微笑む。

「狼で結構。私、了ちゃん好きだもん」
「うーん、でもね、ちゃん、僕はちゃんとキサラさんの絡みの方が断然萌えるんだけどなぁ」

 少し困ったように言うと、は更に笑みを深くする。

「当たり前でしょ? だって私、キサラ大好きだし」
「リアル百合…! やっぱりちゃん最強だね!」

 なぜかひどく嬉しそうな獏良。
 だからね、とは殊更獏良に顔を寄せる。

「美白の秘訣、教えてよ」

 耳元で低く囁くように言われた言葉に、彼はにっこりスマイルで答えた。

「今僕にしたのをそっくりそのままキサラさんにしてる光景をビデオに録画させてくれたらね」
「……ちぇ、けちー。どうせ引き籠もってた結果のくせにさ」

 ぱっ、と離れて頬を膨らませるに、わかってるじゃん、と獏良は笑う。

君は陽に焼けているほうが
とても似合うと思うよ?

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